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【フレーミング効果とは?】言い方ひとつで印象が変わる心理テクニック

【フレーミング効果とは?】言い方ひとつで印象が変わる心理テクニック

私たちは日々の会話やニュース、広告の中で「言い方」によって無意識に判断を変えています。この現象を「フレーミング効果」と呼び、心理学でも注目されるテクニックです。例えば「成功率90%」と「失敗率10%」は同じ内容ですが、受ける印象は大きく異なります。本記事では、フレーミング効果の仕組みから日常での活用法、悪用されるリスクまでをわかりやすく解説します。

1.フレーミング効果とは?

1-1:フレーミング効果の基本定義と背景
フレーミング効果とは、同じ事実でも「どのように伝えられるか」によって人の判断や感情が大きく変わる心理現象です。たとえば「成功率90%」と「失敗率10%」は数値的に同じですが、多くの人は前者の方に好印象を抱きます。この効果は1970年代に心理学者ダニエル・カーネマンらによって提唱されました。私たちの脳は情報を「枠(フレーム)」でとらえるため、その枠の設け方次第で認識が変わってしまうのです。日常生活だけでなく、マーケティングや政治戦略にも広く活用されています。

1-2:なぜ人は言い回しに影響されるのか
人間の脳は効率よく情報処理を行うため、直感的な判断(ヒューリスティックス)に頼る傾向があります。そのため、言葉の選び方や表現の仕方によって、同じ内容でも印象が変化するのです。特にネガティブな情報に敏感な私たちは、「損失を避ける」選択肢により強く反応しやすい傾向があります。これは「損失回避バイアス」とも呼ばれ、フレーミング効果と密接に関係しています。つまり、情報の伝え方ひとつで感情や判断が大きく左右されるのが私たちの本能的な反応なのです。

2.フレーミング効果の具体例

2-1:医療・広告・ニュースでの事例紹介
医療の世界では、患者に治療の成功率を「90%成功」と伝えるのと「10%失敗」と伝えるのとでは、選択するかどうかの反応が異なります。広告でも「今だけ20%オフ」と表現するより、「あと3日で終了」と訴える方が消費者の購買意欲を刺激します。ニュース報道でも、「〇〇氏は5回の投票で4回欠席」と伝えるか「出席率20%」と伝えるかで印象は異なります。このようにフレーミング効果は、私たちの意思決定や信頼感に大きな影響を与えているのです。

2-2:日常会話や人間関係でのフレーミング
私たちは日常会話の中でも無意識にフレーミング効果を活用しています。たとえば、子どもに「テストで90点も取れたね」と言えば自信を持ちやすくなりますが、「10点も間違えたの?」と言えば反省や不安を誘います。また、同僚に「この案は良いけど改善点がある」と伝えるのと「問題点はあるけど、ここは良い」と伝えるのとでは、相手の受け取り方は全く異なります。つまり、相手との信頼関係やモチベーションにも、言葉の“枠”が大きく関与しているのです。

3.脳のメカニズムとフレーミング

3-1:認知バイアスとの関係性
フレーミング効果は「認知バイアス」の一種であり、人間の思考のゆがみから生じます。私たちは大量の情報をすべて正確に処理することができないため、先入観や感情に左右されて意思決定を行います。たとえば、「専門家が言っているから正しい」「大多数が選んでいるから安心」といった判断もバイアスの一種です。フレーミング効果もまた、言葉の見せ方や順序によってバイアスが働き、合理的とは言えない判断をしてしまうことがあるのです。

3-2:システム1とシステム2の働き
ノーベル賞受賞者カーネマンの「ファスト&スロー」理論では、人間の思考は「システム1(直感的)」と「システム2(論理的)」に分かれます。フレーミング効果は主にシステム1が働く場面で起こります。システム1は素早く判断を下す反面、感情や印象に流されやすい特徴があります。一方で、システム2を使って慎重に考えれば、フレーミングの影響を抑えられます。つまり、情報を鵜呑みにせず、一歩立ち止まって考える姿勢がバイアス回避のカギとなるのです。

4.フレーミング効果の活用方法

4-1:ビジネスやプレゼンで使うテクニック
ビジネスの現場では、フレーミング効果を意識した言葉選びが成果を大きく左右します。たとえば、プレゼンでは「この提案を採用すれば、30%のコスト削減が可能」と言うのと、「このままでは30%の無駄が出る」と言うのとでは、聞き手の心の動きが異なります。また営業トークでも、「この商品は95%の方が満足」とポジティブに提示すれば、信頼や安心感を与えやすくなります。状況に応じて、相手の価値観に合う“枠組み”を工夫することが重要です。

4-2:子育てやパートナーとの関係改善に活かす方法
家庭内でもフレーミング効果は有効に働きます。子どもに対して「失敗しないように気をつけて」よりも「うまくいくように頑張ろうね」と伝える方が前向きな行動を促します。また、パートナーとの会話でも「どうしてやらないの?」ではなく「やってくれたら助かるな」という表現が、関係性を柔らかく保つポイントです。言い方ひとつで相手の感情は大きく変わるため、伝えたい内容をどう“包む”かが良好なコミュニケーションのカギとなります。

5.フレーミング効果の注意点と対策

5-1:悪用されるリスクとその見分け方
フレーミング効果は便利な一方で、悪用される危険性もあります。特に政治的なプロパガンダや詐欺的広告では、都合の良い事実だけを目立たせ、あたかも魅力的な選択肢のように見せかける手法が取られます。こうした情報には「数字のマジック」や「曖昧な表現」が多用されがちです。対策としては、提示されている情報をそのまま鵜呑みにせず、他の視点や裏側の情報を探る習慣を持つことが重要です。冷静に「それは本当に正しいか?」を問い直しましょう。

5-2:フレーミングに惑わされない思考力を養うには
フレーミング効果の影響を受けにくくするには、批判的思考(クリティカルシンキング)を身につけることが有効です。情報を受け取ったときに、「他の表現方法ではどうなるか?」「逆の立場から見るとどうか?」といった問いかけを意識することで、バイアスを乗り越える力が養われます。また、複数の情報源に触れ、視野を広げることも大切です。感情ではなく事実に基づいた判断を心がけることで、他者の言葉に振り回されずに自分軸を保てるようになります。

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